
本研修会の目的は、CIESFのめざす理数科支援の方針や活動の在り方に関して、カンボジア人教官に伝達することである。
とくにCIESFがカンボジア教育省から高い評価を受けている、Team Teachingという、カンボジア人教官と日本人ボランティア教師が一緒に授業を展開していくスタイルを、研修を通して深く理解してもらうことが、主な目的である。
研修会の受講生は、2014-2015年度から新たに支援の対象校となったスバイリエン州小学校教員養成校の校長先生と副校長先生、そして理数科教員の方々が中心となったメンバー構成となっている。
研修会の講師は、CIESFの職員やボランティア教師ではなく、CIESFが長年支援しているプレイベン州小学校教員養成校のカンボジア人教官たちにお願いした。
実際にCIESFの支援で能力が向上したカンボジア人教官たちが、自分たちがどのような意識を持って、日本人ボランティアと活動を共にしてきたのかを、カンボジア人がカンボジア人へと伝えていくことが、この研修会の特徴であり重要なことである。
講師役を務めた教官からは、説明だけでなく、自分が学んだ教材製作の方法や実験方法をその場で紹介して、楽しみながら学ぶことができるように、発表に工夫がなされていた。
参加者からは、「CIESFが目指すカンボジア人教官と日本人ボランティア教師そして通訳がチームになって、協力しながら授業を運営するTeam Teaching形式での支援がどんなものなのか、具体的に理解できるようになった」
「CIESFの支援を受けて、自分たちも知識や能力を伸ばして、成長していきたい」
と目を輝かせながら、スバイリエン州へ戻って行った。
私たちCIESFの支援は、自分たちが支援の前面に立つのではなく、あくまでも主役はカンボジア人であり、CIESFは裏方でお手伝いさせていただくことが重要だと考えている。
だから、カンボジア人の先生方が自分たちの意識を変えていかなければ、カンボジアの教育改善という最終目標には到達できない。
「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」を実践するCIESFの支援が、確実に根付いて、新たな支援校で拡がりを見せはじめている。
松倉洋海
写真 研修参加者による集合写真 大きな写真を見たい方はこちら »