
日本のTVET(Technical and Vocational Education and Training)システムに関する研修会というテーマで、1日目と2日の午前中は「官民連携と指導員業務」と「訓練コースの新設とカリキュラム編成」に関して、講義を中心に学んだ。
1日目と2日目の午後は、午前中に学んだことを活かして、参加者を3つのグループ(労働訓練省役人、職業訓練施設管理職員、職業訓練指導員)に分けて、グループディスカッションを通して、それぞれの立場で論じる機会を設けた。
カンボジアの現状を分析後、改善策をグループごとに発表し、自ら考え、改善、実行していけるように働きかけるプログラムが組まれた。
研修最終日の3日目には、生産管理モデル化演習として、ものづくり体験を実施した。
受講生たちは紙飛行機製造模擬演習を通して、もの作りの仕組みや問題解決能力、チームワークを身につけることができるように工夫された演習となった。
紙飛行機をいかに時間内に作るのか、休憩時間でも試行錯誤して紙飛行機作りをしている受講生を見て、うれしくなった。
研修参加者から、「カンボジアでは日本のような職業訓練システムを作るのは難しい、どうしたら良いのか」という意見が上がった。
講師の先生からは「日本の職業訓練も長い年月をかけて、構築されてきた。良いところもあるが、悪いところもある。日本をそのまま真似するのではなく、カンボジアの皆さんには日本の良いところを参考にしながら、カンボジアに合った職業訓練システムを独自に構築していってほしい。」と伝えていた。
他の国で作られた制度をそのまま真似しても、お国柄や文化習慣が違うので、ギャップが生じてしまう。
カンボジアに合った職業訓練のシステムを時間をかけながら、カンボジアの人々が自ら問題意識を持って、構築していくことに意味がある。
大盛況のうちに、3日間の研修会を終了することができた。
研修の受講生からは、ぜひ継続してCIESFに研修会の開催をしてほしいとの要望の声が上がっていた。
今後は、労働訓練省と研修会の評価を行い、今後の支援に関して協議を進めていくことになる。
松倉洋海
写真 紙飛行機製造模擬演習の様子 大きな写真を見たい方はこちら »