2023.01.30
教育政策大学院大学の学生にインタビューを実施しました(前編)
シーセフがサポートしている教育政策大学院大学では、2020年に新たに博士課程を新設しました。新設間もない博士課程の調査をするために、在学している学生にインタビューを実施しました。前編は博士課程の現状についてお伝えします。
【志望動機】
在学生の大半が教育省の教育行政官であり(一部大学教員)、入学要件の一つに、「5 年以上の教育関連職務経験、もしくは 2 年以上の調査経験を有する」があります。したがって、志望動機は、日々の仕事をこなしていく中で「自分の能力を高めたい」という強い思いやその先には、行政官として「担当をしている地方を良くしていきたい」「カンボジアの教育に貢献したい」といった高い志があることがわかりました。また、ある女性の回答者は、「女性の代表としてロールモデルになりたい。」と男性中心の職場環境の改善にも一定の役割を果たしたいと考えている方もいることがわかりました。
【入学後の課題】
無事入学できた場合、講義の時間が毎週土曜日と日曜日であるため、「子育てがたいへん」、
「家族との時間がとれない」ことを現在の課題にあげている人がいました。また、「土日にアルバイト」で生計を補っていた人にとっては、在学期間は収入減を覚悟しなければならない、といった回答もありました。(※教育行政官の月給は 400 ドルと推定され、授業料は年間 2100 ドル)
【効用】
博士課程の効用については、自身の給与や職階の上昇、職能の向上などがあげられました。待遇以外の効用を指摘する回答は、例えば、「知識を次世代へ伝えられる」という回答があり、得た知識を職場に還元できる、つまり職場全体の仕事に影響を与えられることに期待していることがわかります。次に、「博士学位をもつと大学の先生と対等になる。大学と教育省の繋がりを強めたい。」という回答からは、大学行政に関わる職場で働いていると思われる回答者が、博士学位取得によって、業務がより円滑になっていくことを期待していることがわかりました。また、「新しいプロジェクトが立ち上がる場合、博士学位取得者がその担当者として優先される。」というように、職場において博士学位取得者の職業能力の高さに信頼がおかれていることがわかりました。
後編(講義科目の特徴と課題について)につづく
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