
2018年度、第8回ビジネスモデルコンテストで準優勝した2人の女性は、「エコプラスチック(Eco-Plastic)」という、環境問題も解決ができる、社会に貢献するビジネスモデルを発表しました。
エコプラスチック(Eco-Plastic)とは?
カンボジアは経済が発展すると共に、都市化と消費活動によって、プラスチックの量が急激に増加しています。
しかし、リサイクルの技術がまだないので、他のゴミと共にゴミ溜めに集めるしかできません。
ゴミ溜めはプノンペンに2箇所あり、1箇所はもうゴミを入れることができません。
もう1箇所は25年間利用するために建設されましたが、それもそろそろ満杯になります。
彼女たちのビジネスプラン「エコプラスチック」では、プラスチックの廃棄物をアスファルトに混ぜて、補修材として利用することで、より丈夫で長持ちする道路を作ることができます。
一般的の道路建設では、10%のアスファルトを含ませて、セメントアスファルトを作ります。
アスファルトは高いですが、もしアスファルトにプラスチックを加えたら、費用を何億円か節約することができます。
それに、実験によると、アスファルトだけよりプラスチックと混ぜた方が、品質が良いとされています。
世界的にエコプラスチックのような考え方は新しいものではありませんが、カンボジアにはまだないので、カンボジアにとって、とても役に立つと思われています。
プラスチックの廃棄物を減少しながら、道路も補修でき、環境保護にもなるので、「一石二鳥」な活動です。
メコンビジネスチャレンジ(Mekong Business Challenge)
カンボジアビジネスモデルコンテストの上位2チームは、カンボジアの代表として、メコンビジネスチャレンジに臨みました。
今年度は、2018年3月17日にブータンの王立ティンプー大学(Royal Thimphu College)で開催されました。
メコン川が通っている5カ国から11チームが参加しました(カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマーは2チームずつ、ブータンは3チーム)。
カンボジア代表のエコプラスチックは2位を受賞することができました。
それをきっかけに、エコプラスチックはもっと世間に注目されるようになりました。
国際ビジネスモデルコンテスト(International Business Model Competition)
国際ビジネスモデルコンテストへの参加は、メコンビジネスチャレンジで優勝した1つのチームだけです。
しかし、エコプラスチックははあきらめずに国際ビジネスモデルコンテストに直接申し込みをしました。
努力の甲斐があり、エコープラスチックは受け入れられ、アメリカに行けることになりました。
今年度の国際ビジネスモデルコンテストは2018年5月10日、11日にアメリカのユタ州で開催されました。
世界の国々から36チームが参加し、学生が発表するビジネスモデルコンテストの中では、世界でも大きいコンテストのひとつとされています。
そのコンテストで、2人は最終選考会に残ることができました。
エコプラスチックの現在
コンテストで優勝して以来、彼女たちのビジネスモデルは、メディアでも注目され、エコプラスチックについての記事がたくさん出てました。
そして、2人はインフラ整備などを行っている公共事業運輸省に招待され、大臣と話し合いをしました。
公共事業運輸省は、エコプラスチックに興味を持ち、支援を行いました。
2人は省の実験室を無料で利用でき、エコプラスチックの商品の試しを行っています。
彼女たちは、どんなに有意義なビジネスモデルを考案しても、努力なしではここまで来れません。
2人はコンテストの前に、研究をしたり、実験をしたり、データを集めたりと多くの時間をかけてきました。
困難や失敗がやっぱりあるとしても、粘り強く努力をし、認められるようになりました。
カンボジアでは、「STEAM教育」(Science, Technology, Engineering and Mathematics)に挑戦する女性はあまりいません。
今後、この2人に影響されて多くの女性がこの分野で活躍できるのを期待しています。
*2人の情報
(左) 名前:LY Sokanha
年齢:21
大学:Zaman University
学部:Civil Engineering
(右) 名前:TAN Bunhourng
年齢:21
大学:American University of Phnom Penh
学部:Business Administration
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