
輸入している食品の安全性、リサイクルできないゴミの処分、都心部でのひどい交通渋滞、失業率の高さ、カンボジア国外への出稼ぎ、若者のメンタルヘルス等が大きな問題となっています。
これらの問題を解決しようと思う若者たちはさまざまなアイディアを出しています。
しかし、良いビジネスモデルが考案されても資金がないと実際に立ち上げるのは難しいです。
そのような若者たちを応援するのがカンボジアビジネスモデルコンテストの一つの目的であり、他にも、若者の間でアントレプレナーシップ(起業家精神)の知識を広めたり、ステークホルダーにビジネスモデルを実際に試す機会を設け、質の高いビジネスモデルにしていきます。
当コンテストは、カンボジアのニーズに合わせ、研修の内容を変えたり試行錯誤をしながら10周年を迎えることができました。
今年度のビジネスモデルコンテストの進め方です。
1.一次審査
今年度は45チームの応募があり、一次審査では21チームを選抜しました。
2.研修
2019年12月7日、国立経営大学にて研修が行われました。
研修では、チームごとにビジネスモデルを発表してもらい、講師との質疑応答、アドバイスをもらい、それを活かし実際に企業や専門家、業者、顧客などに試しました。
3.準決勝
2020年2月1日、国立経営大学で行いました。
一次審査を通過した21チームの中から、17チームが参加し、11チームが最終選考会へ駒を進めることになりました。
審査員は、起業家や若い経営者など7名の方々です。
4.最終選考会と表彰式
2020年2月2日、最終選考会をカンボジア日本人材開発センター(CJCC)で一日かけて行いました。
最終選考会では、11チームは250名の観客の前で自分のビジネスモデルを発表しました。
様々な分野の会社の社長やリーダー、専門家など9名の審査員が上位3チームを選抜し、表彰式を迎えます。
同日の夕方、ローズウッドホテルにて表彰式を行いました。
以下、順位順にビジネスモデルを紹介します。
1位:Dam Dos(訳:栽培)
カンボジアで売られている野菜は、輸入品や農薬を多く使って育てたものが多く安心して食べることができない野菜が市場に出回っています。
この解決する目的として、自分で安全な野菜を栽培する家庭栽培キットを提供します。
2位:Energy Consultation Agency
アプリケーションで職場での電気消費量を管理し、電気の無駄遣いを減らすためのアドバイスを会社や工場にしていきます。
3位:Junlen(訳:ミミズ)
カンボジアの地方では農家が多くいますが、収入が少ないのが問題となっています。
この問題を解決するために、副業としてミミズの養殖を田舎で広め、ミミズから作られた肥料を企業に販売します。
上位の3チームはメコンチャレンジ(アセアン大会)の権利も得ることができます。
メコンチャレンジは、2020年3月14日にプノンペンで開催する予定です。
メコンチャレンジで優勝したチームは、アメリカのユタ州で行われるインターナショナルビジネスモデルコンテストに進めます。
今年度の結果を見ると、農業に関するビジネスモデルが多くありました。
カンボジアは農業大国で、農業に関わる問題が多くあります。
このビジネスモデルを実現し、問題を解決してくれることを期待しています。
*写真
カンボジア教育省ホンチュンナロン大臣と上位3位までのチーム
カンボジアオフィススタッフ
ニアン チョロナックチョン 大きな写真を見たい方はこちら »