
カンボジア労働訓練省とCIESFの共催で産業界連携と模擬生産方式」というテーマの研修会をプノンペンのNTTI(National Technical Training Institute)にて開催しました。
2016年11月29日から12月1日にかけての3日間の研修会には、労働省職員や職業訓練学校の教官たちが51名と、カンボジアで日系の製造業から管理職3名が参加者しました。
今回の研修会も過去2回同様に、日本エンプロイアビリティ支援機構(JESO)様の協力のもと、実施することができました。
本研修の開講式には労働訓練省のPICH Sophorn長官がご出席くださり、スピーチをいただきました。
今年の研修会では、カンボジア全土から多くの労働訓練省職員が参加したことが過去の研修会との違いです。
過去2回の研修会では、プノンペンで働く労働訓練省の職員だけ参加して、その他の地域の参加者がいなかったのですが、今回は労働訓練省の職員が方が参加できたことは良かったことだと思います。
職業訓練省が自分たちで予算を用意して、遠隔地域の職員も研修会に呼んだことは、この研修会の価値を労働省も認めていただいた証だと感じています。
この研修で重要なことは、参加者が職場に戻ってから、研修で得た経験や知識を研修に参加していない同僚や職業訓練学校に通う学生などに伝ええていただくということです。
参加者の皆さんが活躍することを期待しています。
研修では、産学連携について労働省職員と企業がお互いに理解するべきこと、職業訓練の役割や労働市場と人材育成や企業連携の重要性、などを学んでもらえたと思います。
その上で、模擬生産方式に関しては実際に工場の生産管理の方法を学ぶことができました。
特に紙飛行作りを通して、工場の働き方と同じように、それぞれの役割を担って、生産管理、品質管理がうまくでき、製造ラインのトラブルを速やかに解消できるように、労働省職員や管理者クラス、日系企業からの参加者が話し合う機会になり、困ったことや労働省に提案することができる機会になったと思います。
学んでいく中で、お互いの労働条件を理解できたと感じました。
日系企業の困っていることに関する声としては、労働者が不足していて、労働者の知識や技術などがない、生産管理がまだ充分にできておらず、労働省と連携があまりなくて、労働省職員が現場に視察に来ない、職員に対して訓練をしてほしい、などがあげられました。
労働省の訓練施設の管理者側は、毎日TVET(Technical and Vocational Education and Training)をはじめ、他の分野も含めて問題解決の戦略を作るために頑張っています。
企業との連携がなかなか上手くいっておらず、問題解決もまだ不足点があるので、ぜひ企業側も一緒になって協力してほしいとのことでした。
労働者の技術の向上に関しはて、まだまだだと感じています。
訓練学校では人材が育ってきてはいるものの、現場の声に応えられていません。
生産管理の問題や製造に対する質など、まだ不十分な企業もあります。
企業の職員や労働者に向けて、TVETと関連する訓練をしていただく機会があれば、どんどん訓練していただきたいと思います。
これからも労働省が掲げる目的を達成するために改善をしながら、問題解決能力を向上していきたいという声もありました。
今後もCIESFでは、カンボジア労働省の職員の能力向上のサポートを続けていき、カンボジアの職業訓練分野のサポートも続けていきます。
EANG Nary
松倉洋海