第6回カンボジアビジネスモデルコンテストを開催しました|現地リポート|公益財団法人CIESF(シーセフ)は、教育をはじめとして、カンボジアなどの発展途上国を支援しています。

現地リポート

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2016.02.22

第6回カンボジアビジネスモデルコンテストを開催しました

第6回カンボジアビジネスモデルコンテストを開催しました 2016年2月13日(土)に、第6回目となるカンボジアビジネスモデルコンテストの最終選考会と表彰式をプノンペンで開催しました。

2015年10月末からカンボジア国内で募集を開始した同コンテストでの受賞者を決定する発表会は、朝8時半から午後3時までかけて、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)で行いました。
表彰式は会場を移し、午後6時からソフィテルホテルにて、来賓や審査員、そして国内外からのスポンサーをお招きして食事会を兼ねて開催しました。

昨年度の第5回までは、現役の大学生のみを対象としていましたが、今回は選考対象に2つのレベルを設定し、それぞれから優勝と準優勝を選考しました。
ひとつは、大学院もしくは大学卒業から5年以内の社会人を対象としたシニアレベルで、もうひとつは大学の学部生を対象としたジュニアレベルです。
カンボジアの大学を卒業後、海外の大学院を出てカンボジアに戻った者もシニアレベルとして参加できます。
また、シニアレベルについては、現実的な事業レベルを持っていることを条件とし、本気の起業を目指す若者を支援する目的を、より強くもったコンテストとなりました。
審査員にも、今年はシンガポールから投資家を2名お招きして、カンボジアの若者のビジネスモデルについてじっくりジャッジしていただきました。

CJCCでの最終選考会に出場したのは、シニアが6チーム、ジュニアが7チームの合計13チームですが、2015年11月から2016年1月まで、実践経営学に基づいた起業研修を行いました。
最終選考に残ったチームのビジネスモデルは、紙上のモデルではなく、それぞれある程度起業を経験した結果を踏まえたものとなっています。
また、最初に策定したビジネスモデルも、約2ヶ月にわたる研修で、かなりブラッシュアップされた模様でした。

発表はすべて英語で行われ、審査員からの厳しい質問やそれに対する発表者たちの切り替えしには、熱がこもっているのが感じられました。
会場は出入り自由となっており、朝早くから、多くのカンボジアの若者たちや、国内外のスポンサーの方々、そして、CIESFのサポータである日本の経営者なども発表に聞き入っていました。

日本から来たサポーターの方に感想を伺ったところ
「カンボジアの若者のプレゼン能力の高さに、驚いた」という声を頂戴しました。

ソフィテルホテルでの表彰式は、今年は、来賓、スポンサー、審査員、主催者、そしてシニアレベルとジュニアレベルそれぞれから優勝の可能性のある3チームずつのみを招待する形式で行いました。
来賓として、カンボジアの教育大臣(H.E. Dr. Hang Chuon Naron氏)もご出席くださり、厳かでありながら和やかな雰囲気で開催されました。主催であるCIESFの理事長大久保の挨拶からはじまり、来賓の方々からお言葉を頂戴したあと、結果発表とともに表彰式が行われました。

受賞チームとその事業内容をご紹介します。

シニアレベル

1位 「Pengpos Online Grocery Shopping」 (賞金4000米ドル・金メダル)
買い物に行かなくても自宅からインターネットで注文できるネットスーパーマーケット。働く主婦や小さい子どもがいる家庭向けの強い味方となり、また地元の農家などから仕入れるためその支援にもなる。

2位 「English Academy」(銀メダル)
Eラーニングを使って提供する英語学習教材。プノンペンの場合英語教室の約半額で受講が可能。またオフラインでも学習できるので、インターネットの整っていない地方でも受講が可能となる。

3位 「V-Recommend App」 (銅メダル)
仲の良い人たちがインターネットを通じて、場所、食べ物、ファッション、美容などの情報を薦めたりシェアしていくことで、各人のニーズにあったものをプロデュースする。このアプリで商品やサービスについてどう書かれているかは、特に中小企業の商品開発に活かされる。

Special Kirin Social Enterprise Award(キリンビバレッジ社会起業家特別賞) 「Teach for Cambodia」 (賞金20万円)
カンボジアでは小学生の5分の2が卒業まで学業を全うできないという現実があり、その解決のために、将来国のリーダーを目指す若者が2年間、教師の乏しい学校で教師として働くシステム。学生にとっても学びの経験となる。
Smart Innovation Award(スマートイノベーション賞) English Academy (iPhone 6s 3個 ※2位とW受賞)

ジュニアレベル

1位 「Warm House」 (賞金2000ドル・金メダル)
1歳から5歳の子どもの世話をする公共施設。仕事などで忙しく子供の面倒を見る時間が十分にない家庭を対象としている。核家族の親には子どもの育て方を学ぶ場となり、スタッフとしてはシニア女性を雇用する。

2位 「Kiri Bike Tour Service」 (銀メダル)
プノンペンのオフィスワーカーたちは健康的ではない暮らしをしている。企業に対して自転車を貸出し、サイクリングを推奨することで、健康と仲間づくりを支援できる。健康でよい仲間がいることで仕事のモチベーションと効率が上がり企業にとってもメリットとなる。

3位 「Algoo」(銅メダル)
カンボジアの若者は、他のアセアン諸国と比べると、海外に行く機会が乏しが、将来のリーダーとなる若者が海外で見聞することは重要である。Algooは日々学生でも日払える金額で設定された学生のためのASEANツアー。

レベル設定を2種類にしたことで、とくにシニアレベルではより現実的なプランが目立ちました。
たずねてみると、最終選考会で発表したシニアレベルのチームのうちほとんどは、すでに起業をスタートしていました。
ジュニアレベルのチームも、おそらく研修を受ける間に、シニアレベルのチームに引っ張られて学ぶことが多かったのではないでしょうか。
入賞したチームはすべて審査員から高い評価を得ていたとのことです。

最後は、審査員やスポンサーの方々と、優勝したチームも、惜しくも優勝を逃してしまったチームもみんなで記念撮影をし、今年のビジネスモデルコンテストは幕を閉じました。

表彰式冒頭のCIESF理事長大久保の挨拶にもありましたが、このコンテストの結果は終わりではなく、起業のはじまりです。
上記の中から、将来、世界の誰でも知っているような大企業が生まれるなどということになったら、わくわくしますね。

さて、シニアレベルの上位2チームは、カンボジア代表として、メコン地域(ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、中国雲南省)とブータンの学生が競うマッキンゼー主催のメコンチャレンジに出場します。
この大会は今年、カンボジアのプノンペンで3月12日に開催されます。
メコンチャレンジの優勝者は、4月29日にアメリカ合衆国のワシントン州で開催される世界大会に進みます。
その結果は、3月の現地リポートでお知らせします。

増子夕夏
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