
一年で一番暑い4月のクメール正月が過ぎて、2年生は最後の学期の授業に取り組んでいたときのことです。
教員養成校の1年生が教育実習に行っており、パートナーのカンボジア人教官が実習校に行かなければならないということで、代理授業を引き受けました。
卒業後に使える教材を、もう一つ増やす授業をすることにしました。
学級代表の女子学生に「模擬授業のつもりでやってごらん。」と、先生役を振り向けました。
そして、授業が始まりましたが、この学級代表がすごかったのです。
プリントを見ながら、作り方の説明をして、理解できたか確認をしました。
自分でも、同じように作りながら、各グループの机を見て回って、一人一人の進み具合を確かめたり、質問に応じたりしているのです。
本当にすごいことです。
机間巡視の大切さや必要性を完全に理解して実行していることがすごいのです。
なぜなら、カンボジアでは、机間巡視の重要性を理解し、実行に移している教員はほとんどいません。
しかし、この学校で学んだ学生は、机間巡視の意味を理解し、実行していたのです。
そして、最後は笑顔で授業をまとめました。
私たち(カンボジアの教官と日本人の先生)が一緒に指導を重ねてきた結果、学生がここまで育ってくれているとは、まったく予想していませんでした。
本当に驚かされました。
カンボジアの未来は明るいと実感しました。
小泉文晁
教育アドバイザー
プレイベン小学校教員養成校
理科担当 大きな写真を見たい方はこちら »