
研究授業は1年C組で、整数単元(負の数)を授業者ソックンティア先生で1時間の授業時間で実施されました。
授業の実施目標は「グループの発表を聞いて負の数の計算の決まりを理解し、正しく計算できる」です。
先生は「1000リエル持って1500リエルの本を買う場合、いくら足りませんか。」という例で生活の中には温度計以外にもマイナスの考えがあることを話しました。
数直線や色つきの玉(赤玉と黄色玉に+-と書き個数で数字を示す)を使って例を出し、その後は与えられた計算を説明する課題が与えられました。
先生は6グループに数直線で考えるグループ、玉で考えるグループと分けて指示しました。
3-(-5)を玉で考えることになっているグループはどう考えていいか悩んでいました。
結局、式に当てはまるように玉を置いただけになり、ほかの学生が首をかしげていました。
先生が部会での話し合いに出たように玉を配置し、理解させました。
授業後に行われたCIESFの日本人ボランティア教師4名を含むCIESF関係者と、5人の算数教官と校長先生との話し合いでは、グループの適正な人数やどの場面で話し合いをさせるかなどについての意見が出され両国での例があげられました。
話し合いの最後の方で「数直線での理解ではひく」と「-」の使い分けが必要ではないか、との意見が出されました。
クメール語にその違いを表す言葉はない、ということでした。
カンボジアの先生からホワイトボードを使っての説明もありましたが、決定的なものとはなりませんでした。
計算の決まりの提示には、それまで学んできた例から確認してほしかった、という意見も出ました。
後日 ボランティア教師の1人から数直線理解のファイルが届き、ちょうど1クラス残っていたので指導しましたが、学生に理解させるには十分とは言えませんでした。
算数部会で先生方にも説明しましたが「学生に理解させるには難しい」との意見でした。
しかし1つの方法ですべての説明できることを知った、という事実はしっかり残ります。
スバイリエンのアドバイザーからは、算数教官に指導案を見せたら、大変喜び学生や友人にも紹介したとの嬉しい連絡もありました。
問題点は残りましたが実施してこその収穫でした。
今回の授業がこれからの工夫や授業改善に活きていくことを期待しています。
濱本まゆみ
教育アドバイザー
プレイベン諸学校教員養成校
算数担当
写真:研究授業の当日の様子 大きな写真を見たい方はこちら »