教育アドバイザーの活動日誌|公益財団法人CIESF(シーセフ)は、教育をはじめとして、カンボジアなどの発展途上国を支援しています。

教育アドバイザーの
活動日誌

教育アドバイザーの活動日誌
「摩擦力」 2017.03.30 「摩擦力」 「まさつ」の授業の打ち合わせのときです。
カウンターパートの先生に「摩擦力をどのように考えていますか?」と尋ねました。
しかし、返事が返ってきません。
そこで今度は、おもりをニュートンばかりで引っ張り「確かに引っ張っているのに動かないのはなぜですか?」と尋ねてみました。
すると「重さがあるから」という返事が返ってきました。
そして図をかき、引っ張っている方向と逆方向に摩擦力が働いているのだと説明すると、「摩擦力は、Aと同じ方向に働いている」と主張するのです。

その上、カンボジア語で書かれた研修資料を持ってきて「ここに書かれている。」と指摘してきました。

彼がこのように理解していたことに驚きつつ、すぐ指摘された部分を翻訳して読んでみました。
しかし、私の説明と同様のことが書かれていました。
彼の勘違いだったのでしょうが、勘違いしたまま授業してもらうわけにはいきません。

数日後、再度「なぜAの方向に引っ張って動き出した時の力の大さで*摩擦力の大きさをはかることができるのか」尋ねてみました。
(*ここでいう摩擦力は、最大静止摩擦力)
返事はありませんでしたが、今度は「Bの方向に働く摩擦力より大きな力がA の方向にかかったとき動き出す」ことを納得してくれました。
授業の中でも、上の図を書いて「摩擦力」の説明をしていました。

もう1人のカウンターパートの先生にも同じような質問をしてみましたが、やはり返答がありませんでした。
昨年度も指導案を作って授業していたので、当然基本的なことはわかっているのだろうと思い込んでいましたが、違いました。
教科書に載っていても教えられていないことも多々あるカンボジアです。
「摩擦力」に限らず、理科担当の教官でさえ十分理解できていないことが少なくないのです。
今回は、先生方の実態をつかむことの大切さを知るよい機会となりました。

齋藤悦子
教育アドバイザー
スバイリエン小学校教員養成校
理科担当 大きな写真を見たい方はこちら »
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