教育アドバイザーの活動日誌|公益財団法人CIESF(シーセフ)は、教育をはじめとして、カンボジアなどの発展途上国を支援しています。

教育アドバイザーの
活動日誌

教育アドバイザーの活動日誌
コンポントム州活動日誌【その1】 2017.05.17 コンポントム州活動日誌【その1】 コンポントム州の教員養成校に赴任してやがて半年が経ちます。
小学校教師養成を目的としたこの学校は1,2年生それぞれ20人の4クラスずつ計8クラスが学ぶ2年制の学校です。
理科の週当たりの授業時間数は学期によって12~16時間と変化します。
生徒たちに理科を指導するのは年齢も経験も異なる3人の先生たちで、それぞれの学年を1ないし2クラス担当しています。
他の科目も担当したり、事務職の仕事も兼任したりしているので皆さん結構忙しいようです。

本校には今までも他の団体の支援があったようで、数の偏りはあるもののいろいろな実験器具や自作教材等が保管されていました。
私が最初に行った活動は、実験器具等の数・場所・使用状況を調べ、記録することでした。その結果、不足している器具、必要な器具などを把握することができました。
また、CIESFやアドバイザー、サポートスタッフの皆さんが残してくれたカンボジアの理科教科書及び養成校での24項目の指導内容の日本語訳が冊子としてまとめられており、これで小学生がどんな内容を、どの学年で、どのように学習しているか、養成校生徒がどのような指導を受けているのかの概要が把握できました。
24項目の内容を指導するとしても3人の先生たちはそれぞれ持ち味が異なります。
私は、この半年間の多くを毎時間ごとに変わる指導内容をそれぞれの先生たちがどのように指導しているのかの授業参観に費やしました。

生徒を授業に巧みにひきつける先生、小学校の教員経験のある先生は経験を活かした授業、今年から理科を担当することになった先生は忠実に小学校の指導内容にそった授業を行うなど三者三様の授業スタイルがあります。
途上国の授業にありがちな教師が一方的にしゃべり、生徒はわき目も振らずノートに記述するという指導は時折見られますが、プロジェクターを利用した視覚教材の提示、得意な分野での演示実験を取り入れるなど、それぞれ工夫をこらした授業が行われています。
これからの授業の方法、教材の準備の大切さなども卒業後に先生になる生徒たちに熱く語られており、学校教育の改善を目指そうとしている勢いが感じられます。
小学校理科の指導内容や指導の重点などを見てみると、理科教材がない中で日常生活で経験していることを当てはめて理解させようとしている工夫が教科書のあちらこちらに見られます。
日本とは重点の置き方が異なっている指導内容も多々あります。
さて、私は何をアドバイスしたらよいのでしょうか。

第一に、24項目(理科の指導内容)の指導内容ごとに器具の分類・整理や使用方法の明示を行い、3人の先生たちがいつでも誰でも使えるような状態にしておくこと。
第二に、自分たちで管理できるようになってもらうこと。
第三に、理科室内の学習環境(延長コードの設置、背面黒板の設置など)を整備すること。
第四に、このように改善したほうがさらに理解しやすくなるのではないかと思われる実
験方法の提供、必要な自作教具の作成法の提示をすること、などです。
あれやこれやで、半年が過ぎました。
具体的な活動の紹介は次回に。

*写真は、模擬授業でのひとこま。生徒がグループごとのまとめを発表している場面です。

鈴木光次郎
教育アドバイザー
コンポントム小学校教員養成校
理科担当 大きな写真を見たい方はこちら »
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