
プレイベン州の小学校教員養成校の教育アドバイザー(理科担当)として赴任して3年目となりました。
過去2年の活動を2回に渡ってご紹介してきましたが、今回は今までの活動のこぼれ話をご紹介します。
プレイベン小学校教員養成校では「理科部会」と称して、時折、パートナーの理科の先生や通訳と一緒に、食事会をしています。
その席で、パートナーの先生方から私が学生たちによく声を掛けている言葉を評価していただき、これからも続けてほしい、という話を聞かされました。
教員養成校では、学生たちが授業内で模擬授業をする際に、緊張して硬い表情のまま授業を行うことが多いです。
私が、「授業は笑顔でやりましょう、子どもたちは、先生の素敵な笑顔を見たくて、学校に来るのですから。」と、アドバイスしていました。
カンボジア人の教官の言葉から、日本では、当たり前のアドバイスだと思っていたことが、ここでは、当たり前ではなかったことに気がつきました。
パートナーのカンボジア人の教官も、笑顔で授業をやってみたら、学生がニコニコしてくるので、それ以来「笑顔で授業を、心掛けるようになった。」というのです。
カンボジア人の教官からは、「カンボジアの先生に、こういったことを教える発想はない。私が言えば、変な目で見られると思う。でも、日本人の先生が言うと、学生はやってみる。」とのことでした。
私だけではなく、私の前にこの学校に赴任していた日本人の先達が築いた「信頼」という、大きな財産に出会った気がしました。
カンボジアに来て、「何ができる?」「何かできそうか?」と、つぶやき続けての2年間でしたが、手探りの日々の中で、思わぬ明かりを灯していたのを知って、とてもうれしくなりました。
小泉文晁
教育アドバイザー
プレイベン小学校教員養成校
理科担当