ラタナキリへの小旅行(4) クルン族の家のモデル
2010年7月 5日
州都バンルンから車で約10分のところに、ヤックロム湖がある。
カルデラ湖で、周囲が山に囲まれた静かな場所である。
カルデラ湖の斜面には集落はないが、この付近はタンプーン族の村が点在し、精霊が住む神聖な場所とされている。
静かなただ住まいは、精霊の住む場所にふさわしい。
小さなお土産物屋が、一軒あるだけ。
タンプーン族のおばさんが、シダの仲間の山菜を採っていた。
湖のはたに、クルーン族の家が一軒、観光客のへの展示用に建てられていた。
写真の左端に見えるのが、高床式の母屋だ。
その脇に、さらに高い鳥小屋を連想させる高床式家屋がある。
女の子が、14-15歳になると建造するもので、以来女の子はここを寝室にするという。
ここで男性と語り、将来の伴侶を探す場所とする。
一見、性的に奔放の様に受け取れるが、実際には長い間人口密度の薄かった密林の中に生活する部族の、近親婚を避ける知恵であったろう。
本田勝一さんが、1960年代に極北のエスキモー(イヌイット)の記録を残している。
この過酷な極北の地域は、数十キロに一軒程度しか民家がない。
その記録中に、旅行者に対して妻貸しをする習慣が書かれていて、驚いたことがある。
しかし、後に文化人類学を勉強してみると、人口密度の薄い極北の地で、遺伝子の多様化を保つための深い知恵の伝統であったことを知り、感激したことがある。
既に開発が進みはじめた、ラタナキリの少数部族は、後戻りのできないところに来ているが、これからどのような道をたどるのであろうか。
金森正臣









