ガソリンスタンドの抽選くじ

2010年6月24日

ガソリンスタンドの抽選くじNo.1.jpg最近、カンボジアの人々が夢中になっている「夢のある話」がある。

ガソリンスタンドの抽選くじである。

どこの大手ガソリンスタンドでも一等賞品は車、二等賞品はバイクである。
カンボジア人にとって、新しいバイクや車は憧れの的であり、「もしも当選したら」と考えるだけで、胸がおどる。
カンボジアには、市内バスや電車など主要な公共交通機関がなく、バイクや車は生活必需品である。
家はボロ屋でも、立派なバイクに乗ることがステータスになっている。
ボロボロのバイクに乗っていたら、女の子に値踏みされて、口説けないとはカンボジア成人男性の弁。
それぐらい、カンボジア人にとっては、自分の乗り物というのは、重要な位置付けなのである。
しかし、ここ数年は上下を繰り返しながらも確実に物価は上昇しており、それと比べて労働賃金は上がらず、生活するのに苦労しているカンボジア人は多い。
ガソリンのような必要不可欠なものは、高くても買わざるを得ないのである。


ガソリンスタンドの抽選くじNo.2.jpg各社は値引き競争を始めたが、値段を安くし過ぎると逆に、ライバル会社から品質の悪いガソリンだという噂まで流される始末。
そこで、ガソリンスタンドの会社が一斉に目をつけたのが、抽選くじである。
各社、値引き競争は横に置いておいて、賞品の車やバイクのメーカーで勝負するようになっている。
抽選券を一枚もらうためには、バイクはガソリン1ℓ、車は10ℓが必要である。


カンボジア人の友人達は口をそろえて、「こんなもの本当に誰かに当たるわけない」と言いながらも、ガソリンを入れる度に抽選券を握り締めている。
誰もがささやかな夢を見ながら、ガソリンスタンドに通っている。

松倉洋海


写真No.1 抽選くじの広告看板
写真No.2 カンボジア大手のガソリンスタンドの一つ「CALTEX」

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