校庭の真ん中で国旗掲揚

2010年6月21日

校庭の真ん中で国旗掲揚No.1.jpgカンボジアの中学校教員養成校では、校庭の真ん中で国旗掲揚が毎日行われている。

ある日、プノンペンの中学校教員養成校の国旗掲揚台の隣で何やら工事を始めた。
一体何を作っているかと思えば、新しい国旗掲揚台だった。
そんなもの作るお金があるのなら、教員の給料を上げるとか、実験道具の一つでも買いそろえばいいと感じてしまう。
そもそも、校庭のど真ん中に国旗掲揚台が置いてあるのを見ると子どもたちのことを全然考えていない学校作りがされている気がして納得がいかない。


校庭の真ん中で国旗掲揚No.2.jpgこのような国旗掲揚台は、教員養成校に限らず、公立学校では当たり前のことだ。
カンボジア人の学校関係者にとっては、校舎と同じくらい大切なものである。
以前、学校建設の仕事に関わっていた時、ある校長先生から「机の数を減らしてもいいから、校庭の真ん中に国旗掲揚台がほしい」と懇願されたことがある。
彼らにとっては、国旗を掲揚することが、国に忠誠を誓い、王様を尊敬する大事な意味合いが含まれていることは理解できる。
だが、どうして校庭の真ん中に作らなければいけないのか。
誰に聞いても納得できる理由がなく、憤りを感じることもあった。


校庭の真ん中で国旗掲揚No3.jpgしかし、この国旗掲揚台の建設現場を眺めていて、あることに気付いた。
校庭の真ん中で遊んでいる学生などいないのだ。
多くの学生たちは、校庭の隅に集まって遊んでいる。
よく見ると、校庭の隅にはいくつも木が植えられていて、日陰があるからだ。
褐色の肌を嫌い、太陽の光を浴びることを極端に嫌うカンボジア人たち。
日差しから避けようのない校庭のど真ん中こそ、学生たちが使わない一番のデッドスペースなのではないかと気付いた。


実は、カンボジアという国は自分たちの環境に合わせて、合理的に国旗掲揚台の場所を選んでいるのではないか、と思えなくもない。
結局、国旗掲揚台の場所についての真相もそうだが、この国には、この国の物差しで測らなければわからないことがたくさんある。
何でもかんでも、外国人の物差しで、あれは駄目、これも駄目と決めることが正しいとは言いきれない。
少し、言い過ぎのような気もするが、カンボジアを支援していくには、彼らの目線に立つことが必要だということだけは間違いないだろう。

松倉洋海

写真No.1 校庭の真ん中にある国旗掲揚台
写真No.2 新しい掲揚台の建設現場
写真No.3 新しい掲揚台の周りには立派な花壇も作られる

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