教育アドバイザーの活動日誌|公益財団法人CIESF(シーセフ)は、教育をはじめとして、カンボジアなどの発展途上国を支援しています。

教育アドバイザーの
活動日誌

教育アドバイザーの活動日誌
教員養成校の先生たち その1 2013.02.18 教員養成校の先生たち その1 最近、150万円の退職金の減額のために入試や卒業を目前に早期退職する先生のことが話題になりました。
そのような先生の中には講師などへの身分変更で引き続き現場にいる人もいるとも聞いていますので、一概に批判はできませんが、お金で心が動くという少々ショッキングなニュースでした。

では、カンボジアの先生たちは、自分たちを聖職者と見ているでしょうか、それとも金銭労働者と見ているでしょうか?
「衣食足りて礼節を知る」という言葉が当たるかどうかわかりませんが、聖職者といえどもまず最低限の生活ができることが必要だと思います。
カンボジアの先生はあまりにも給料が低くて、それだけでは生活ができない実態があります。
そんな中でも教師としてカンボジアの子ども達、教師の卵たちに指導をしていこうとしている人たちは、聖職者でしょう。
でも、そうした先生たちでも、生活のために学校よりも副業を優先していると思われることがよく見られます。
ちょっとした理由で簡単に欠勤することもあります。
その意味では金銭労働者とも言えます。
持ち時間数が少ないのだから、よく遅れてきたり休んだりするのだから安くて当然なのでしょうか?
逆に、安いから、教師としての情熱が上がらない、副業などをするのは当然なのでしょうか?
そんな現状を抱えながらも、私が担当しているプノンペン小学校教員養成校で算数・数学(以下、数学と表記)の指導に当たっている先生たちとの関わりや彼らの様子を垣間見たいと思います。

まず小学校教員養成校と中学校教員養成校の違いに触れます。
中学校教員養成校では、専攻ごとに学年で1クラスずつ組織されています。
数学は、数学・物理という専攻で1クラスありますので、2学年(2年間の養成課程です)で2クラスが私たちの対象となります。
つまり、その2クラスで教える先生が私たちのカウンターパート(対象教員)ですので、人数にして2人ほどです。
私たちはその2人の、あるいはそのどちらかのアドバイザーになります。

一方、小学校教員養成校はプノンペンの方は学年で3クラス、プレイベンの方は6クラスほどあります。
2学年ではその倍のクラスが対象となり、担当する先生も中学校に比べて多くなります。
もちろん、全ての先生をカウンターパートと考える必要はなく、学校との相談で、あるいは自分の考えでその中の1人を選ぶことも、複数の先生を対象とすることも自由です。
プレイベンで活動する私たちの仲間は、主に1人の先生をカウンターパートとして活躍してきました。

ではプノンペン小学校教員養成校での数学担当教員と私との関わりについて述べます。
私たち夫婦がこの教員養成校に赴任したのは2年半前の2010年(平成22年)9月でした。
教員養成校の年度のスタートは10月ですので、丁度休みの時期でいいタイミングでした。
その直前に校長先生から、数学担当の6人の先生を紹介されました。
各学年で、数学基礎、数学一般、指導法を1人ずつ担当していくとのことでした。
特にどの先生をという依頼もなく、CIESFとの関わりも初めてでしたので、あまり気負わないで、ゆっくりすべての先生の様子を観察することにしました。

当面は、いわば全方位外交でいくことにしたのです。
というか、私の方も何をしたいかという構想も何もなく、当然カンボジアの指導内容にも無知な状態でスタートしましたので、どうしてよいのかわからなかったのです。
とはいえ、6人の先生と年間ずっと一緒に関わるわけではありません。
2012年11月26日の「教育アドバイザーの活動日誌」でも述べたように、どちらかの学年だけという時期も結構あります。
内容によっては観察しない授業もありましたし、今日はいいよ、と先生から言われることもありました。

教員養成校でのカリキュラムが途中で変わりましたし、前期と後期で多少の時間数の変動もありますが、3つの分野とも学年で2~3時間のコマ数です。
つまり、一人の先生の持ち時間は2~3時間ですので、余裕があるというべきか、副業がやりやすいというべきか、少なくともずっと学校にいる先生はいませんでした。
ところが、2年目になると、一人の先生が辞め、もう一人の先生が事務職になると言って授業を持ちませんでした。
結局4人ですることになり、副業を持たない1人の先生の負担が急に増えました。
今年度はさらにもう1人の先生が事務職になると言って授業を持たなくなったので、3人になり、能力の高い2人の先生の負担が大きくなりました。

こんな経緯で、当面の予定のはずが、2年半経った今でも全方位外交を続けています。
もちろん、事務職になった2人の先生とも数学のことで時々やりとりをしています。
また、いろいろな先生と接することでたくさんのことを学べましたので、それはそれでいいことだと感じています。
ただ、これまでの経験から、新しい方には、やはり自分でどんなことができるか、どんなことをやりたいかというある程度の指標を持って来られるのがよいと感じています。
当初は何をしてよいか分からなくても、どんな先生とどんなことができそうかをより的確に、より早く見出すことができると思うからです。


筧八郎
教育アドバイザー
プノンペン小学校教員養成校
算数担当


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