【教育アドバイザーの活動日誌⑩】1年を振り返って(その6)教育アドバイザーとして
2010年8月13日
どこの国にもあるのだろうが、カンボジアにも日本人会なるものがある。
球技大会や、盆踊り大会、忘年会など、日本人同士、あるいは日本人とカンボジア人の交流を深めるための活動を行っている。
人見知りする私は、あまりこのような会に出ることを好まないのであるが、それでもこちらに来て一人だったこともあり、顔を出すことがあった。
そんな時、話しかけられ、名刺交換などするのであるが、CIESFといっても知っている人はおらず、「金森先生の下で働いています」というと、「ああ、金森先生のところですか」と急に打ち解けてくれるというのが常であった。
カンボジアではCIESFという団体はほとんど知られていないが、同じ教育支援をしている「JICA」や、学生に奨学金を出している「キズナ」という団体の知名度は高い。
JICAの青年海外協力隊を学校が受け入れると、いくらかの金銭的な支援が得られるというのでJICAは歓迎されるのだと聞いたことがある。
それに比べ、CIESFは金銭的な援助はせず、教育アドバイザーによる教育法などの無形の援助である。しかも新しい団体で知名度も低く、カンボジアで長く教育方面で活動されてきた金森先生の名前で受け入れてもらっている感がある。
学校側は、CIESFがどのようなことをするのか、期待と不安を交えながら見ているに違いない。
CIESFの仕事を根付かせるためには、何としてでも学校から信用・信頼を得なければならない。
そのためには、まずは目に見えるところから行動しようと思い、朝7時の始業から、夕方5時まできちんと出勤している。
また、私は教えるのが得意ではないので、教育アドバイザーに応募した時から、化学の実験器具作りをメインに考えていたので、その仕事をなるべく人目に付く準備室の前の庭先で行っている。
こうすることにより、生徒は興味を持って寄ってきて見て行くし、あの先生はいつも何か作っている、という印象を与え、生徒との信頼関係が構築されるのではないかと思ってのことである。
また、月曜と水曜日には朝礼があり、生徒はグランドに整列し国旗掲揚を行なうが、校長、副校長、担当の先生以外はほとどこれに顔を出すことはない。
校長や副校長に普段は接することがないので、顔を覚えてもらい、CIESFの印象を少しでもよくすることができるのではないかと国旗掲揚には立ち会うようにしている。
そして、現在は正規の授業ではないが、「奉仕の時間」をもらい「実験化学講座」を開いている。
供覧実験ではなく、各班分の実験器具を手作りし、生徒自身が実験するようにしている。
実験などほとんどやったことはないらしく、やったとしても供覧実験であり、自分たち自身が実験をするという経験がないので、好評である。
ここに記したことは、単なる私の考えに過ぎず、やり方は、人それぞれに違うと思う。
CIESFからは、教育アドバイザーの仕事について、教員養成校の教員の指導援助や、現地の材料で実験器具を作るといった、教員募集要項に書かれていること以外、具体的な指示はない。
教育アドバイザーは教職に30年前後関わってきた人達であり、それぞれ自分の考えを持った人達である。
そういった多くの考えの持ち主が集まり、よりよい教育アドバイザーを目指して切磋琢磨するには、CIESFのこの縛りのない方針は、大いに歓迎できる。
溝口克彦
教育アドバイザー
プノンペン中学校教員養成校 化学担当
写真: 実験に用いるヘキサンをガソリンから分留











