教育行政を改善する

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教育行政官が教育の仕組みや管理方法を学ぶための

大学院を運営し、教育課題の根本解決を目指す

カンボジアでは、 「教師の待遇が良くない」「教科書に誤記がある」「教科書が全員に行き届かない」「小学校の卒業率が低い」など教員養成校の現場レベルで解決できないのは国の教育制度や教育政策の改善も緊急の課題です。当財団では教育省と協同で教育政策大学院大学を設立し、教育省行政官の再教育の場を提供しています。

活動の概要

【支援開始】2012年10月〜

【事業目標】教育省と共同で教育政策大学院大学を設立・支援し、行政官の再教育の場を提供。教育省の課題を自ら改善できるようにしています。

【学校名】教育政策大学院大学 修士課程

【対象者】カンボジア教育省行政官

活動実績

活動の背景

カンボジアの教育で問題視されるのが、「教育の質」と「教師の質」です。「教師を育てる」ために行っている、教員養成校での活動のような現場レベルではどうにもならないのが、国の教育制度・教育政策の部分です。「教育の質」に関係する教科書やカリキュラムの策定は教育省の管轄であり、「教師の質」の低下に関係している待遇の悪さは教育行政に問題があります。しかし、カンボジア教育省の行政官でも、教育行政や教育制度について学ぶ機会がほとんどなく、知識が乏しいのが現実です。

こうした現状を踏まえ、シーセフは2012年10月にカンボジア教育省と共同で、教育省の行政官や教師の再教育の場として「教育政策大学院大学」をプノンペン市内に設立しました。この大学院は、教育行政に関する基礎を学ぶ貴重な場です。2年間でしっかりと他国の教育行政や教育政策を学ぶことで、優秀な教育省の行政官や教師が増え、将来的にはカンボジアの教育行政の進むべき道をつくっていくリーダーの育成につながっていきます。

活動の内容

カンボジア教育省は、2014年から本格的な教育改革(5か年計画)に乗り出しました。この改革では、教育分野の高度人材に“修士課程修了以上の学歴”が求められていることもあり、設立からわずか数年ですが、教育政策大学院大学はカンボジアの教育行政にとって重要な役割を担うこととなりました。

設立から3年間、大学院の運営費はほぼすべてシーセフが負担してきましたが、2015年10月より教育省の運営費一部負担が開始され、現在はカンボジア教育省が単独で自立運営しています。シーセフでは引き続き日本人の講師を定期的に派遣し、集中講義を行うなどのサポートを行っています。

※卒業試験の様子

受益者の声

教育省企画部事務総長

私は教育省の政策部門に所属していますが、製作の基礎知識があまりなく、自身の能力の向上のために大学院へ入学しました。講義を受け、教育政策を改善するには、創造力と疑問を持つこと、そして調べることが必要だとわかり、基礎知識だけではなく、授業内容の理解に加え、実験や理論なども学びました。学んだことを教育省以外にも、州部学校等の現場の問題を理解し、改善に向けて応えられるように意識したいと思います。